月刊「マドラ通信」(2005年11月号)
今月のテーマ:硝酸態窒素について
最近妙にほうれん草や小松菜の色が濃いなぁ、と思われた事はありませんか? そして昔よりえぐみがあるようにお感じになった事は・・・・・ ?
そんな野菜は湯がくとお湯が真黄色になります。 その色や、苦味の正体は「硝酸態窒素」。 土壌中の化学肥料や堆肥の窒素が形を変えたものです。
植物 ( 作物 ) は、光合成によって造られた糖と根から吸収したリン酸により窒素をたんぱく質に変える事で成長して行きます。 窒素を多く与えればそれだけ作物は青々と濃い緑色になります。 なぜそうするのかって ? それは、 " 野菜は色の濃い方が栄養がありそうで消費者が喜ぶ " から、 " 色が濃い方がたくさん収穫できそうで農家も安心する " からだそうです。 窒素は土壌中に硝酸態窒素として存在 ↓ 作物が栄養として取り入れる ↓ 成長を止められた段階 ( 収穫時 ) で使い切れなかった硝酸態窒素が作物中に残る。
体内で毒性の強い亜硝酸N a となり、たんぱく質・アミノ酸と結合し更に強力な発がん性を持つニトロソアミンを形成する
血液中でヘモグロビンと結合し中毒(酸素欠乏症)を引き起こす(大きな牛でさえひとたまりもありません)
硝酸耐窒素を少なくするには、次の2つのことがポイントです。
(1)リン酸をしっかり効かせて根から吸収した窒素がきちんとたんぱく質に変わるようにすること。
(2)作物が収穫までに必要な量以上の窒素肥料を与えないこと。
速効性のリン酸化学肥料(重焼リン、ようりん、過燐酸石灰)は固定化しやすく効果がすぐ切れてしまうので、何度も追肥しなければなりません。マドラグアノはリン酸がゆっくり長く効くので、作物が必要な時にしっかり吸収され、硝酸態窒素過多を防ぎます。